2009/07/19

オートチューンを知らない人のためのオートチューン解説(ハウツー編)


機能面についてはこちら。
オートチューンを知らない人のためのオートチューン解説(小説風)

前回、くだらない小説を書きましたところ、批判と同時に「分かったから使い方を書いてくれ」と言われました。本来であれば、Youtubeに「autotune tutorial」とでも入れて検索してもらえばいいのですが(ちなみに今回のエントリは上記の動画を参考にしました
)、そういえば日本語で書かれた実践的なページも見つからず(大体がPerfumeや初音ミクの話なので・笑)、更にこれを読んで「オレのほうがコイツより理解してるじゃん。この偽知識を早く倒さないと」と思ってくれるスキルフルな人が出ないとも限りませんので、簡単にまとめておこうと思います。もちろんこれが「正解」ではありません。頭で分かっていても身体的にはこれを勘違いしてしまうのがネットの恐ろしい点です。


オートチューンは様々なバージョンがあります。現在は「Autotune EVO」だとか「Autoune efx(簡易版)」があるはずです。私はautotune5(すでに生産終了したはず)を使っていますが、基本的なパラメータは大差ありません。
まず、セッティング例を見てみます。


私はヒップホップにおけるオートチューンにハマっているので、こういったセッティングになっています。普通にボーカル補正などに使う場合は、「Retune Speed」を20以上、ビブラートを適当な値に設定してみてください。
私はオートチューンを使ってボーカルの細かな補正などをすることがあまりありません。なので、私と同じように「手軽にケロケロ声を作りたい」という人は、キー設定と「Retune Speed」をゼロにすることをまず覚えればOKです。ちなみに、この設定だと、このように音が変化します(上が原音、下がオートチューンをかけた音)。

01.mp3

02.mp3

と、これだけでオートチューンによるケロケロ声は終わりなのですが(笑)、これだとあまりに寂しいので、他のエフェクトも絡ませて紹介しようと思います。僕は、下の音を、このセッティングで作りました(今回はFL Studio内のエフェクトのみで行おうと思います)。

03.mp3



まず、インサート側(ボーカルに直にかけるエフェクト)ですが、オートチューンをかける前にイコライザーとコンプレッサーでイジりました。イコライザーでは200Hz以下をバッサリと切り、8KHzあたりを少し上げています。
続いてセンド側には、コーラスとディストーションをかけ、音が少し「にごる」ようにセッティングしてみました。これは、僕がカニエ・ウエストの音が好きだからです(笑)。そして、これに軽いテンポ・ディレイと空間が広めのリバーブをかけました。なので、イメージとしては、真ん中にボーカルが乗っかり、その左右を歪んだボーカルが支えている。というように捉えています。もちろん、通常のボーカルの場合であれば、コーラス・ディストーションは必要ないでしょう。

最後に、ローファイ感を出したいがため、これらの音全体の5kHz以上をイコライザーでカットし、コンプで音圧を少し上げると、下のような音が完成します。

04.mp3

この音を更に良くするには、イコライザーとリバーブの設定を詰める必要があると思います。これは私も実験中です。ぜひ、色々試してみてください。

オートチューンを知らない人のためのオートチューン解説(小説風)

テクニカル面についてはこちら。
オートチューンを知らない人のためのオートチューン解説(ハウツー編)

次回ワークショップのネタを作っています。次回はエフェクト類の話をしつつ、21世紀のテクノロジーとして「オートチューン(Auto-Tune)」を扱う予定なのですが、このオートチューンというピッチ補正ソフトについては楽曲制作にまったく興味の無い人であっても気になるのではないかと考え、このエントリを書きます。ソフトを利用したことのある人にとっては当たり前ですが、初めて体験する人にとっては、驚愕を覚えるかもしれません。

※ 録音の準備を一切せず(ヘッドホンなどを使用しませんでした)風呂上がりの全裸で一発撮りしたため(笑)、ノイズがかなり多く含まれています。理解の妨げにはならないと思うので、撮り直しせずお送りします。


◆Introduction
すすむ君はヒップホップが大好きな大学生です。最近は、T・ペインに代表される「変な声」を出したハマっています。その中でもとくに、カニエ・ウエストによる「ウェルカム・トゥー・ハートブレイク」はお気に入りの楽曲でした。


「さすがカニエだなあ。タカシムラカミを起用してしまいながら大成功してしまうだけの実力はある」と皮肉にもなっていないコメントをつけつつ、すすむ君は1:05あたりに聞こえる声をモノマネしてみようと思いました。大丈夫、森山直太朗のモノマネができたんだから、この変な声ぐらい簡単に習得できるだろう。そして、録音してみました。

01.mp3

「あれ、全く違うなあ」とは第一声。2拍休止後、恥ずかしさすら感じるようになりました。
「やっぱり日本人にはできない。あの声はアメリカの音楽学校で何年も練習して初めて習得するものなんだろうな」
そう考えたすすむ君は、この音声ファイルに「変な声・失敗.wav」を名前をつけ、ゴミ箱に入れました。

◆I control "Auto-Tune".
翌日、すすむ君は学校で友達のすむす君といつも通りヒップホップの話題を話していました。といっても、すむす君はネット上の友達。すすむ君は学校に話す人がいないため、ずっと携帯でメッセンジャーをしているのです。
「昨日、カニエ・ウエストの声マネをしてみたんだけど、全然ダメだったよ。やっぱりアメリカ人はすごいね。あの声はどれくらい練習しているんだろう」とすすむ君。
「えっ」メッセンジャーから即座に返事が返ってきました。「もしかしてオートチューン知らないの?www」
すすむ君はオートチューンを知りませんでした。しかし、知らないと答えるのもプライドが許さないため、
「ちがうよしってるよ」とぶっきらぼうに入力した後、「オートチューンを使わないでどこまでできるか実験しただけさ」と言い訳をし、即座にオートチューンというものを検索しました。

学校を腹痛ということで早退し、早速オートチューンのデモをダウンロードしてきたすすむ君。機動してみると、何やら分からないパラメーターが並んでいます。「ええい、よく分からないから、とりあえず色々イジって試そう」そう考え、ツマミを回すこと30分、ついにそれらしき声が出てきました。

02.mp3

「おお!なんかカニエっぽくなった!」大喜びのすすむ君。「それにしても、なんかこれ使うだけでこう変わるのもどうなんだろうか」
ほんの少しの煮え切らない気持ちを抱えつつ、その日の夜、早速メッセンジャーですむす君にこの音声ファイル「オートチューン.wav」を送りました。

◆I'm controled by "Auto-Tune".
「そうそう、オートチューンは便利でいいよね。これを上手くつかえば、ピッチも安定するしさ」とすむす君から返事が返ってきました。
「そうだよね、ピッチ安定は大事だからね」とすすむ君。もちろん、訳が分からないので、早速グーグルに単語を入力していきます。

グーグルによると、このオートチューンを使えば、カニエのように声を変化させる技術を使って音程をキーに合わせることができるらしいのです。むしろ、カニエのような変な声を出すほうが「誤った使い方」であるらしい。

調べ終わると、ちょうどそのとき、すむす君からファイルが送られてきました。タイトルは「オートチューン改良.wav」、どうやら自分の声を更にアレンジしてくれたようです。早速聴いてみました。

04.mp3

「こ、これはまさに蟹江じゃないか!」
すすむ君は驚きのあまり、「カニエ」を誤変換して「蟹江」と打ち込んでしまいました。
「そうそう。声をセンドで送って、そこにディストーションとリバーブをかけたら、こんな感じになってさ」とすむす君。いつものように検索すると、ディストーションは「音を歪ませる」エフェクト、リバーブは「音に響きを加える」エフェクトであるらしく、つまりあの声に歪みと広がりを加えたものが、この改良ファイルでした(※1)。

「なんだか凄いなあ。でも、こんな簡単に声を変えられるんじゃ、逆に興味無くなっちゃうね。自分の声かどうかも疑わしいし」とすすむ君。
「僕は自分の歌声に自信があるからオートチューンは歌の下手な人に任せるよ。君は聴いたことないだろうけど、カラオケでの僕の声はめちゃくちゃ良いんだよ。とくに、<カラオケの館>での僕の歌はもう完璧すぎるぐらい完璧だからね。じゃあおやすみ」
と、パソコンの電源を落としました。

電源が落ちる前、一瞬だけメッセにすむす君からの返信がありました。しかし、すすむ君がその文面に目を落とす前に、先に電源が落ちました。誰にも読まれないメッセージの内容はこうでした。

「<カラオケの館>って、オートチューン標準装備だぞ。自分の歌が上手いかのように錯覚させる罠なのに、気がついてないのかwww」


(※1)実際にはもう少しだけエフェクトをかけています。具体的にはイコライザーで8kHz以上をカットし、コンプで音圧を少し上げました。

2009/07/16

製作(works)

◆◆◆album◆◆◆

ヘッドフォン・マジック(2010/07, free!)


love in the corner(2009/12, free!)


contact(2008/03, 500yen)



◆◆◆single◆◆◆

headphone magic EP(2010/04, free!)



◆◆◆movie◆◆◆

モーニング娘。 - 気まぐれプリンセス(宇宙も飛べるはずリミックス)
Morning Musume - Kimagure Princess(space-age remix)

モーニング娘。 - なんちゃって恋愛(なんちゃってジャズリミックス)
Morning Musume - Nanchatte Renai(nanchatte jazz remix)

w-inds. - New World(parallel world remix)

身辺整理

2年弱の間続けていたココログを解約し、Bloggerへと身を移しました。
独自ドメインがココログでは有料サービスの範囲に入ることと、だんだん日記の量が膨大になってきたのがその理由です。

そういったわけで、これまでに書いたコンテンツは一斉に削除。読者におかれましては、バックアップを取る余裕もないまま、真白になったページを唖然としながら見ているのではないかと推測しています(とはいえ、いくつかは有用な記事も書いていたので、それはいずれ再掲するつもりです)。あの真白のページは、マイケル死後の僕の精神状態を比喩している、いわば芸術的削除だと言い張ることも可能ですが、まあそういう込み入った話は今のところリミットをかけておきましょう。いずれ書くのは明らかですから。

どうぞ、よろしくお願いします。

制作・講座依頼について

商業・同人を問わず、さまざまな依頼を募集しております。
引き受け可能な仕事、ご依頼方法については、下をご確認ください。

◆◆◆引き受け可能な仕事◆◆◆

1.楽曲制作(CM音楽・ジングル含む)
打ち込み系全般。とくにヒップホップ、ハウス調の楽曲に定評があります。
ボーカルの有無は問いません。

2.リミックス
楽曲のリミックスを作成します。
「このように仕上げてほしい」など、要望に沿うような形で制作していきます。

3.講座・ワークショップ
未経験から中級程度まで方を対象とした音楽制作講座を行います。
教材などについては、こちらで用意したレジュメなどを利用します。
また制作ソフトが無い場合も「FL STUDIO」の体験版を利用しながら、講座を行うことができます。
個人・グループ・大人数は問いません。ご相談ください。

◆◆◆報酬について◆◆◆

無償 / 有償を問いません。
まずはご相談ください。

◆◆◆連絡先◆◆◆

private.beats@gmail.com

ご依頼の場合は、以下の事項のご記入をお願いいたします。
(1)お名前
(2)連絡先メールアドレス
(3)ご依頼内容
(4)データの受け渡し方法
(5)提出時のファイル形式等
(6)締め切り

smooth「contact」

1st mini album
smooth"contact"(pvbt-0001)

01.life is
02.ユカイな誤読~you don't know what live is~
03.cry & dance
04.ゲームオーバー
05.crazy for what

price:500yen

最後の昭和生まれ、そして最初の平成生まれであるラッパー、
smoothによる、ファースト・コンタクト。
「補正機能」時代の日本語ラップ。

※Youtubeにて、「02.ユカイな誤読」を配信中。



<購入について>
(1)iTunesにて世界配信中です。
(2)Amazon.co.jpにて、購入が可能です。
(3)「02.ユカイな誤読」の着うたを配信しています。
下のアドレス、またはQRコードから購入ができます(携帯専用)。
http://web.i-chart.jp/?DL=W-100418&ad=myspc&afid=

プロフィール

kobori akira (a.k.a privatebeats, smooth, すむす)

昭和64年(1989年)生まれ、東京都出身。非常勤MC。
m-flo「come again」に触発され、ラップ・トラックメイクを始める。
2006年、<音楽甲子園>決勝戦に出場。

2009年3月に、smooth名義で初アルバム『contact』発売。
「補正機能時代の日本語ラップ」をテーマにしつつ、
2010年7月には、kobori akira名義で最新作『ヘッドフォン・マジック』を頒布。


"Kobori Akira" is born in 1989 in Tokyo. He is a "part-time rapper".
He is influenced from "come again" by "m-flo" and begin composing.

In March 2009,the debut album "contact" is released.
The theme of the album is "the Japanese rap of the era of auto-tune".

Glasses are his necessaries.
They say his real face is similar to Aoi Yu, Japanese actress, but he doesn't think so.